オメガー3脂肪酸
抗加齢医学会 認定医試験の自習記録
オメガ3脂肪酸とは不飽和脂肪酸のうちでも多価不飽和脂肪酸に属するもので、αリノレン酸、EPA、DHAといった脂肪酸の総称である。脂肪酸のメチル基の端から3番目の炭素が二重結合になっているのでオメガ3と呼ばれるようだ。食品としては魚介類の油、えごま油、亜麻仁油に多く含まれ、摂取により心血管疾患リスクを下げるエビデンスがある(JELIS study等多数)。他にも抗炎症作用、認知機能改善作用、血清脂質プロファイルの改善など様々な効果があることが知られている。
オメガ3脂肪酸を多く含む油は参加しやすいため、料理に使う場合には加熱せずに使う方がよいようだ。ドレッシングに混ぜたり、調理された料理にかけるなどして使用する。容器を開封した後は冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切るようにする。
潰瘍性大腸炎に対するプロバイオティクス製剤の効果
タイトル:
Probiotic mix VSL#3 is effective adjunctive therapy for mild to moderately active ulcerative colitis: a meta-analysis.
PMID:
24918321
論文を代表する図表:
スタディデザイン:
メタ解析
対象疾患:
軽度~中等度の潰瘍性大腸炎
介入方法:
VSL#3(腸内細菌混合カプセル)の投与
症例数:
5研究 441症例
選択/除外基準:
キーワードにVSL#3を含み、成人の潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患を対象にした研究を選別
→従来の治療薬を対象にしたRCT1件、コホート研究1件、プラセボ対象RCT3件
結論:
VSL#3の3.6x10^12(3.6兆)CFU/d投与は安全であり、軽度~中等度の潰瘍性大腸炎に対し、従来治療単独よりも高い治療反応律と寛解率を得ることができる。
気になった点:
VSL#3に含まれる腸内細菌(Natural Medicines Professional Database参照)
Bifidobacterium breve, Bifidobacterium longum, Bifidobacterium infantis, Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus paracasei, Lactobacillus bulgaricus, Streptococcus thermophilus.
袋入り 1パック 450億CFU
カプセル 1カプセル 112.5億CFU
3.6兆CFUをカプセル数に換算すると320カプセル/日。袋入りでも80袋/日。
どうやってこの量を経口摂取していたのか、メタ解析の解析元になった論文にもあたる必要がある。
次に読むべき論文:
The probiotic preparation, VSL#3 induces remission in patients with mild-to-moderately active ulcerative colitis.(PMID 19631292)
論文の要約集をつくる
どんなもの? 先行研究と比べてどこがすごい? 技術や手法のキモはどこ? どうやって有効だと検証した? 議論はある? 次に読むべき論文は? このフォーマットに従って問いを埋めていくだけで、論文ひとつの内容をA4半分~1枚に圧縮できる。これで出来上がるものはその論文の「オレオレ要旨」ともいえるものだ。
高速で論文がバリバリ読める落合先生のフォーマットがいい感じだったのでメモ - 書架とラフレンツェ
上記ブログで引用されていた落合陽一氏の文献のまとめ方をさらに引用。
医学論文に応用する。「先行研究と比べて」のあたりは実はきちんと読まないとかけない。短時間で済ませたいので、下記のフォーマットでまとめることにする。
- タイトル
- PMID
- 論文を代表する図表
- スタディデザイン(メタ解析/コホート/患者対象研究/ケースシリーズ/症例報告)
- 対象疾患
- 介入方法
- 症例数
- 症例選択/除外基準
- 結論
- 気になった点
- 次に読むべき文献
L-カルニチン
Natural Medicines Professional Databaseの情報を要約した。
効能・効果
L-カルニチンは、体内で自然に産生されるアミノ酸の一種です。 L-カルニチンは、体内での脂肪燃焼を助けます。
何らかの理由で体内のカルニチンレベルが低下している方にお勧めします(遺伝性疾患、バルプロ酸ナトリウムや一部の抗生剤を内服している方、末期腎不全~血液透析を受けている方)。また厳格なダイエットを行っている方、菜食主義の方にお勧めします。
L-カルニチンを経口摂取することで、狭心症や心不全にともなう疲れやすさを改善させる効果が期待できます。また不整脈を予防や血液中コレステロールの改善といった効果が期待できます。
また下記症状の改善に効果がある可能性があります。
男性機能低下、レット症候群、神経性やせ症、病中・病後の衰弱、体重減少、慢性疲労症候群、多発性硬化症に関係する疲労感、セリアック病、がん、加齢、糖尿病などの代謝性疾患、甲状腺機能亢進症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症、下肢潰瘍、ライム病、βサラセミア、肝障害に関連した認知機能低下、C型肝炎、非アルコール性肝障害、記憶障害、偏頭痛、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う運動機能および耐久性の低下。
併用注意薬
ワルファリン
L-カルニチンはワルファリンの効果を増強させる可能性があります。あざや内出血、けがをしたときの出血に注意してください。定期的な血液検査を確実に行ってください。ワルファリンの使用量を減らしたほうがよい場合もあるかもしれません。
甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモン剤とL-カルニチンを一緒に摂取すると、L-カルニチンは甲状腺ホルモンの働きを弱めるかもしれません。
アセノクマロール
アセノクマロールは血液の凝固を遅くする薬剤です。L-カルニチンはアセノクマロールの効果を増強させる可能性があります。アセノクマロールの使用量を減らしたほうがよい場合もあるかもしれません。
他のハーブやサプリメントとの相互作用
D-カルニチン
D-カルニチンはL-カルニチンの体内での代謝経路を阻害する可能性があります。L-カルニチンと同時に摂取しないようにしてください。
用法・用量
!注意:日本人に適した用法・用量ではない可能性があります。
L-カルニチン欠乏に対し:
1日あたり2~3g 2~3回分服
狭心症に対し:
1日あたり900mg~2g 1~2回分服 2週間~6か月継続
心不全に対し:
1日あたり1.5g~3g 1~2回分服 34か月以内
末期腎不全:
1日あたり640mg~3g または体重1kgあたり10mg 3~52週間継続
甲状腺機能亢進:
1日あたり2~4g 2~4ヶ月継続
男性機能低下:
1日あたり2~3g 3回分服
バルプロ酸の副作用予防:
1日あたり3g以内 3~4回分服